鋼構造物における現場溶接は、建物の性能に係る重要な工程となっており、近年の高性能・高機能化する建築物の流れの中で重要性を増し、高度な技能や資格を求められている。
ただ、近年では、資格取得や要求品質のさらなる高度化、法定福利費の問題や重層下請の制限、働き方改革など、我々を取り巻く労働環境が目まぐるしく変化するなかで、業界各社はさまざまな対応に迫られているのが実情だ。
改めて現場溶接業界を俯瞰すると、重層下請のなかで業種が確立しておらず、その多くが中小企業という業態のため社会的な認知度は低く、しかも業界団体もないため、関連業界に対して業界としての意見を主張することができなかった状況が、今まで変りなく続いているのが実態だろう。
現場溶接業界のなかでも、世代交代が始まりつつあるなか、業界の次世代を担う若者たちが我々と同じ問題を繰り返すことがないよう、また、何とか魅力あふれる業界にしていこうと、思いを同じくする有志を募り、この度、業界団体「鉄骨現場溶接協会」を設立した。
以上
一般社団法人 鉄骨現場溶接協会
会長 原 博之